古本屋で漫画買取のバイトをしていた時の話
あれは私が専門学校を中退しとある地方都市でニートをしていた頃の話です。
あの頃はまだネットもあまり普及しておらず、今のようにネットで動画を見たりするにはまだまだPCのパワーが足りていない頃でした。
その頃の私は気まぐれにバイトをしながら定職に就かずニートをしていた私は、暇なときは古本屋へ行き、日がな一日古本を読みあさっていました。
古本屋の亭主も私を追い払ったりせず、それどころか新しい本が入るとまっさきに教えてくれるようになりました。
そして、とある料理屋に就職し、僕はそれまでの恩返しのつもりでその古本屋で古本の買取を手伝いました。
多かったのが料理漫画の買取です。買取作業は殆ど僕がしました。その頃書いた日記が「同人誌漫画買取の日記」です。
そこで手に入れた料理の本も仕事で思いのほか役に立ったし、料理学校にも行っていないのに料理の学校を卒業した人よりも知識を身につけられていたことに正直驚きました。
それもそのはずで、他の漫画も仕事が休みの旅に暇つぶしのために買いあさり、それらの漫画から得た経験値は古本以上の高値がつきました。その古本屋のおじさんは、「あの本、飽きたら売りに来なさい」と私が店に行くたびに言われます。
多分、このお店の本はそうやっていろいろな人の手を旅しているのだろうなとその時感じました。